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自動車が「100%EV」になったら…本当に便利で経済的な社会が訪れるのか? [電気自動車の闇]

 現代ビジネス
 https://gendai.media/articles/-/103156
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 フランスで、「皆、気が狂ってしまった!」)というタイトルの本が出た。
 著者はジャーナリスト兼作家のフランソワ-クサヴィエ・ピエトリ氏だが、彼の結論は、「我々はまだ電気自動車一本のための準備ができていない」だ。

 ★電気自動車は不便

 充電スタンドの不足は、夜間に家で充電して通勤する分には大した問題ではないが、長距離移動では地獄となる。
 バッテリーの性能はここ10年で画期的に向上したが、リチウムイオン電池のそれは限界に近づいている。
 今のところ、走行距離を伸ばすにはバッテリーを大きくするしかなく、そうなると当然、重量が増え、値段も上がる。
 電気自動車は原材料の調達というネックがあるため下がらないどころか、この10年で35%も値上がりした。

 ★バッテリーの材料の高騰と枯渇

 電気自動車の心臓部であるバッテリーの主原料はコバルトとリチウムだが、コバルトの最大産出国はアフリカのコンゴで推定埋蔵量が12万トン。
 これが世界の埋蔵量の8割を占めると言われ、そのうちの8割を中国が所有している。
 採掘は過酷で危険な条件の下、現地の子供たちが1日1ドルほどの低賃金で働いており、世界中から避難されている状況だ。
 そしてコバルトをこのまま採掘していけば、早晩枯渇する
 リチウムは中国への依存が著しく、価格はこの10年で10倍以上に高騰している。
 電気自動車一本に絞るなら、ますます中国依存は高まる。

 ★自動車を走らせる電力が無い 

 アルプスの豊富な水資源で発電しているスイスだが、例年、冬場はフランスとドイツから大量の電気(21年は合計57億kWh)を輸入している。
 現在、フランスの原発は半分ぐらいしか動いていないし、ドイツの風力も風不足でほとんど役立たず。どこの国も自分のことで手一杯だ。
 現在スイスでは、早々と「電力使用についての制限と禁止条例」を策定中で、以下の内容。
 「電気自動車の私的な使用は、絶対不可欠の場合のみ許可される(例えば通勤、買い物、通院、宗教上の会合、裁判所への出廷)」。
 ドイツでは、デジタル・交通省によれば、走行制限はしないが、充電制限はありうるとしている。
 つまり、充電スタンドは制限され、家庭の高圧充電装置は中央から制御される為、思うようには使えなくなる。
 
 EUの“2035年電気自動車オンリー計画”は、頓挫、あるいは延期の可能性が高いだろう。

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 日本では、日産の軽電気自動車がカーオブザイヤーに輝いたそうだが、私は全く興味は沸かない。

 参考:「サクラ」が2023年次「RJCカーオブザイヤー」を受賞
 https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/221110-01-j

 いつも思うことだが、日本人はおめでたい国民性だ。
 使えない自動車など、絵に描いた餅に近い。
 ガソリン車と電気自動車の両方を所有しなければ、いざという時は大変困ることになるだろう。

 参考 日本でEVが普及しない根本原因とは ── 30分かけても高速道1時間分しか充電できない
 https://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2022/07/post-99177.php

 50kWの充電器で30分充電しても100km分くらいしか充電できない。
 40kWの充電器なら80km程度だ。
 1リットルあたり20km走るガソリン車にたとえるなら、30分かけても4~5リットルのガソリンしか給油できない、という状況だ。
 仮に90kWの充電器を使っても10リットル程度しか入らないのと同じだ。
 宿泊を伴う旅行でも、宿泊先にごく一般的な普通充電器しかなければ、1時間あたり約3kWhしか充電できないので、一晩で8時間充電しても24kWh、120km分しか充電できない。

 電気にはガソリンのような高額な税金が課されていない(ガソリンは1リットルあたり53.8円が税金)ので、ランニングコストは安い。


 






 
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