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オスだけ殺すタンパク質「Oscar(オス狩る)」のメカニズムが解明される [サイエンス]

 ニューズウイーク日本語版
 https://www.newsweekjapan.jp/akane/2022/11/post-45.php
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 東大大学院農学生命科学研究科の勝間進教授らの研究チームは、オスだけを狙って殺すタンパク質を同定し、メカニズムを解明したと発表しました。
 「Oscar(オス狩る)」と名付けられたこのタンパク質は、昆虫の体内でよく見られる共生細菌のボルバキアが持つものです。

 ボルバキアは65%以上の昆虫種に感染している共生細菌で、宿主の卵巣にはほぼ確実に存在しています。
 ミトコンドリアのように母から子に伝わる性質を持つため、ボルバキアが次世代に子孫を伝えるためにはメスに感染しなければなりません。

 ボルバキアが行う宿主の性・生殖操作は、次の通りです。

 ① 細胞質不和合:感染していないメスの繁殖を感染したオスが妨害する
 ② 単為生殖:メスがオスなしで子孫を産めるようにする
 ③ 性転換:遺伝的にオスである宿主をメスに変える
 ④ オス殺し:オスの卵のみ発生初期に殺し、メスだけが生まれるようにする

 ダンゴムシでボルバキアによる性転換が発見されています。
 ボルバキアに感染したダンゴムシのオスは、遺伝子的(遺伝子型)にはオスのままで、見た目(表現型)は完全なメスになります。
 ボルバキアの繁殖に貢献できないオスをメス化することによって、ボルバキアの繁殖を効率的にすると考えられています。

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 動物の性って、いがいと揺れ動いているんですね。
 人間だけが、ゆるぎがない性である必要は無いのですね。

 ちょっと前に、生殖能力をなくしたオスの蚊を繁殖させてばらまき、蚊を駆除するなんて事がTVで放映されていましたが、ボルバキアを利用した方法らしいですね。
 個人的には、ニンゲンの手で自然の摂理を変えるのには、賛成しかねます。


 borubakia.jpg


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