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「イノベーション」か「安心安全」か──念には念を入れすぎる日本の意外な効用 [自家用車]

 ニューズウイーク日本語版
 https://www.newsweekjapan.jp/tokyoeye/2022/12/post-136_1.php
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 暗号資産は日本語でいまだに「仮想通貨」と呼ばれているせいか、仮想=実体がない=信用できない、というイメージを持つ人が日本には大勢いる。
 だが、日本の金融庁はアメリカに比べて非常に厳格な法令を敷いていて、日本の暗号資産交換所に対し、顧客から預かっている資産を自社の資産とは分けて管理することを徹底させている。
 そのため顧客資産が交換所に勝手に運用されることはなく、保全されているという。

 暗号資産交換所大手の米FTXトレーディング社が経営破綻した。
 日本法人も米FTX本社のシステムを使っているため、日本の顧客が自分の資産を本当に出金できるかどうかはまだ予断を許さないところではあるが、それでも暗号資産ビジネスで周回遅れだと思われていた日本が、結果的に最もまっとうで安全だったのである。

 日本では新しいことを始める際、念には念を入れて考えつく限りの事態を想定し、対処策を事前に考え、最初から完璧なものを出そうとする。
 それは、海外の「取りあえずやってみよう、問題が起こったらその時に考えよう」という姿勢とは対極にある。

 念を入れすぎる日本では、なかなか新しい技術や発想が生まれない、受け入れられないのは当然である。
 しかしお金は大体いつでも下ろせるし、ドローンが頭の上に落ちてくることも、自動運転の車にひかれることも、自分の暗号資産が突然なくなることもない。
 日本では中々イノベーションが生まれないと言われているが、安心安全に勝るものはないと思う。

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 話はちょっと違うけど、日本の自動車の開発時には、とても厳しいテストが行なわれている。
 安全の主となる衝突テストなど、誰もが知る有名なテストであるが、意外と知られていないのが、ドアの開閉耐久テストである。
 ロボットとドアの取手にワイヤーをつなぎ、一日中ずーっと「バン!バン!」と、開閉を続けるテストである。
 壊れるまでテストを行って、どのくらい耐久性が有るかを調べるのである。
 ドアのロックや構造材が破損し、走行中にいきなりドアが開くと、死亡事故にも繋がる事を防ぐ目的で行われている。

ドア開閉耐久テスト.JPG

 或いは、隔壁強度というのもある。
 トランクに積んだ重い荷物が、追突事故の衝撃で後部シートを突き破ったりして、後部シートの乗客や前席の乗客を押しつぶさないか等のテストである。

 現在の日本の自動車メーカーは、一般の人には想像もできない様な過酷なテストを行って、自動車開発を行っている。
 最近の日本製自動車は、事故の際にも安全が確保されている事や、欠陥による大きな問題も見られないのは、そのような努力が功を奏している。
 このような日本人気質や製品を作る姿勢が、世界でもっとも信頼される日本製自動車の根本にある事を、日本人は知り、誇りに思うべきである。

 参考: メルセデス・ベンツに発火の恐れ、80万台に影響の可能性
 https://forbesjapan.com/articles/detail/45201

 参考: すべてのBMWとアウディの所有者が知っておくべき10の問題
 https://avtotachki.com/ja/10-problem-o-kotoryh-dolzhen-znat-kazhdyj-vladelecz-bmw-i-audi/

 参考: BMWは故障しやすい?壊れやすい部位とその理由を徹底解説
 https://www.gaisha-oh.com/soken/bmw-failure-parts-explanation/

 近年、日本企業は欧米の効率優先に傾いてきているが、日本には日本の良さが有る。
 欧米の製品の信頼性が向上しているのも、実は内部に日本製品が使われている為だったりする。
 日本には、日本の生き方があり、それが日本の生き残る道だとこの頃は思う。





 
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