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「ネットゼロなど不可能だぜ」と主張する真っ当な論文③ [マスコミを信じるな]

 GEPR
 https://www.gepr.org/contents/20230107-01/
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 2021年11月にグラスゴーで開かれたCOP26では、石炭の「フェーズアウト(段階的廃止)」を採択しようとしたが、多くの国々がその文言を受け入れなかった。

 例えばインドは大きな石炭資源を持っており、風力+太陽も増やすつもりであるが、石炭の消費もやめない。
 実際、インドの石炭生産は2022年3月までに8.6%増えて7億7720万トンになった。
 同様に、中国でも2022年の石炭生産は増え続けて前年を越えると見込まれている。

 中国での風力+太陽のエネルギー供給は2021年に3.54EJで2019年の2.27EJより56%増えている。
 しかし同じ時期に、化石燃料消費も8.47%増えている。
 同様に、インドでも風力+太陽は24%増えているが、化石燃料消費も2.4%増えている。

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 温室効果ガスを排出削減しようとしても、世界規模で見ると問題のスケールが大きすぎて容易には進まず、2050年はおろか2070年まででもその達成は困難だろう。
 化石燃料の燃焼は2050年を過ぎても世界のエネルギー供給の主力であり続けるので、効率的に使うための改良・技術開発を続ける事が実は重要だ。
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 欧州や国連気候変動会議が、自分たちの信じる理想を押し付けようとしても、世界は動かない。
 特に石炭の埋蔵量が多い資源国は、むざむざ自分たちの国土に眠るエネルギーの開発を止めて、先進国の言う通りに動こうとはしないだろうし、それは当然だと思う。

 数年前からロシア産の天然ガスをもらえない欧州は、自分たちで否定していた石炭火力発電を再開した。
 それみたことか、自分たちも同じ立場になれば、ネットゼロなんて無理な理想は簡単におろしてしまう。

 結局、温暖化ガスの排出はこれからも、増え続けるだろう。
 産業が進んでいけば、当然の事でエネルギーの使用量は増えるからだ。

 そして、日本の取組みは、ここでも正しいことが証明された。
 日本の石炭火力発電方式は、効率が良くて温暖化ガスの排出量を減らすことが出来るのだが、欧州や国連気候変動会議は、その技術の拡散を許さないとしている。
 これ以上、石炭発電を増やしたくないとのことだが、発展途上国は高いコストの発電方式より、自国に眠る石炭を活用した発電を望むだろう。
 そして、世界の温暖化ガスの排出量は、無限に増えていく。

 参考: 日本の石炭火力発電所はクリーン
 https://www.jpower.co.jp/bs/karyoku/sekitan/sekitan_q02.html


 

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